伝えたい気持ち

「佳織、白里君のこと好きなんでしょ?」
「えっ?好き?」
混乱する私をよそに楓はどんどん話を進めている。
「隠しても無駄だよ。佳織、分かりやすすぎだもん。」
「えっ、待って待って。好きってどういうこと?」
佳織が問うと今度は楓が不思議そうにこっちを見た。
「えっ?どうって…。」
「ごめんね。私、今まで恋とかしたことなくて人を好きになるってどういう気持ちかよく分からないんだ。でも…」
  キンコーンカンコーン
  ガラガラガラガラ
佳織が白里を見るとなぜか胸が苦しくなることを伝えようとしたとき、チャイムが鳴り、先生がきてしまった。
「ごめん。楓。続きはまた後で」
佳織が両手を顔の前で合わせ、謝ると楓はコクとうなずき
「また、あとでね。」と手を振ってくれた。
佳織も手を振ってから急いで自分の席に戻り、教科書やノートを机の上に出した。

「そっか~。佳織、初恋なのか~。」
放課後、近くのカフェでお茶をしながら学校で話しそびれた話の続きをしていた。
あの後、授業が終わり話の続きをしようと佳織が口を開くと
「待った。」と言って止められてしまった。
「どうせなら放課後、カフェでゆっくり話そうよ。近くに行ってみたいカフェがあるんだ~。」
「うん。いいね!私も行ってみたい!」
佳織も大きくうなずき、そして放課後、二人でカフェに来たのだ。
「う~ん。でも、これが本当に恋なのかな~?」
本日何度目かも分からない疑問を口にすると楓は大きくうなずき
「恋だよ!」と教えてくれた。
「だって、目が合ったら胸が苦しくなるんでしょ?」
「うん。」
「それは恋だと思うんだけどな~。」
「恋」
佳織は小さく呟き、白里君の顔を頭に浮かべてみた。
その瞬間、胸がキューとなり顔が熱くなった。
「なになに~?白里のことでも考えてたの?」
「うう。」
両手を顔に添えながらうつむく。
「いいね~。恋する乙女って感じ!」
嬉しそうに話す楓の声を聞きながらこれが本当に恋だったらいいなと思った。