「よーし、じゃあやりたい委員が決まった人から黒板に名前を書きに行け~。
男女、一人ずつだからな~。」
二時間目の総合の時間。それぞれの委員を決めるため先生が声をかけた。
先生が言い終わらないうちにみんな黒板に名前を書きに行き、あっという間に黒板前は人で埋め尽くされた。
「佳織、私達も早くいかないと残り物になっちゃうよ。」
「うん。」
黒板をボーと眺め、何の委員にしようか決めかねていると楓に急かされ、手を引かれるままに人でごった返す渦の中へ飛び込んだ。入った途端、楓と分断され自分がどこにいるのかもすぐに分からなくなった。この中では抗うことは体力の無駄遣いだと判断し、流れに身を任せることにした。
しばらくして、突然渦の外に弾き出されふと、黒板に目をやると保健委員と書かれていた。しかも、運の良いことに女子の委員はまだ決まっておらず『吉田佳織』と名前を書き、さっさと自分の席に戻った。
楓の姿を探すと、図書委員になりたいらしく、必死にチョークに手を伸ばしていた。
「じゃあ、書けた人から自分の席に戻るように。」
先生がそう声をかけるのが聞こえ、佳織は顔を上げた。
「決まった委員会から丸をつけていくからな~。」
そう言って先生は近くにあったチョークを手に取り、どんどん丸をつけていった。
保健委員に丸がつけられるのを確認し、もうひと眠りしようかと頭を下げかけた時、ペアの男子が誰なのか確認していないことに気づいた。よーく目をこらして見ると『白里爽』と書かれており、思わず本人を見てしまった。
佳織から驚きの視線を向けられていることに少しも気付いていない様子の本人は何を考えているのか全く読めない顔で静かに黒板を見つめている。それを見ていると動揺しているのは自分だけだということが分かり胸が針に刺されたようにチクッとした。
「全員、書いたな。」先生が周りを見渡しながら言うので何人かが小さくうなずいた。
「よーし、これから一年間よろしく頼むぞ。じゃあ、残りは特にやることもないから少し早いが十分休憩とする。」
あまりの緩さに苦笑してしまった。しかし、この緩さが先生の良いところだ。
「佳織~。」
「ん~?」
名前を呼ばれ、楓の方を向くと手を招いていたので不思議に思いながら楓の机の隣にしゃがみ込んだ。
「なんで椅子に座らないの?私の後ろの席空いてるよ。」
楓が後ろの席を指さし、知らせてくれたが勝手に座っていいのか分からず遠慮した。
「良いよ、良いよ。さっき、ずっと座ってたからこっちの姿勢の方が楽なんだ。
それより、どうしたの?」
首をかしげながら楓を見上げると楓はなぜか嬉しそうにニコニコと笑っている
「えっ?本当にどうしたの?」
もう一度聞くと予想外の言葉を返された。
男女、一人ずつだからな~。」
二時間目の総合の時間。それぞれの委員を決めるため先生が声をかけた。
先生が言い終わらないうちにみんな黒板に名前を書きに行き、あっという間に黒板前は人で埋め尽くされた。
「佳織、私達も早くいかないと残り物になっちゃうよ。」
「うん。」
黒板をボーと眺め、何の委員にしようか決めかねていると楓に急かされ、手を引かれるままに人でごった返す渦の中へ飛び込んだ。入った途端、楓と分断され自分がどこにいるのかもすぐに分からなくなった。この中では抗うことは体力の無駄遣いだと判断し、流れに身を任せることにした。
しばらくして、突然渦の外に弾き出されふと、黒板に目をやると保健委員と書かれていた。しかも、運の良いことに女子の委員はまだ決まっておらず『吉田佳織』と名前を書き、さっさと自分の席に戻った。
楓の姿を探すと、図書委員になりたいらしく、必死にチョークに手を伸ばしていた。
「じゃあ、書けた人から自分の席に戻るように。」
先生がそう声をかけるのが聞こえ、佳織は顔を上げた。
「決まった委員会から丸をつけていくからな~。」
そう言って先生は近くにあったチョークを手に取り、どんどん丸をつけていった。
保健委員に丸がつけられるのを確認し、もうひと眠りしようかと頭を下げかけた時、ペアの男子が誰なのか確認していないことに気づいた。よーく目をこらして見ると『白里爽』と書かれており、思わず本人を見てしまった。
佳織から驚きの視線を向けられていることに少しも気付いていない様子の本人は何を考えているのか全く読めない顔で静かに黒板を見つめている。それを見ていると動揺しているのは自分だけだということが分かり胸が針に刺されたようにチクッとした。
「全員、書いたな。」先生が周りを見渡しながら言うので何人かが小さくうなずいた。
「よーし、これから一年間よろしく頼むぞ。じゃあ、残りは特にやることもないから少し早いが十分休憩とする。」
あまりの緩さに苦笑してしまった。しかし、この緩さが先生の良いところだ。
「佳織~。」
「ん~?」
名前を呼ばれ、楓の方を向くと手を招いていたので不思議に思いながら楓の机の隣にしゃがみ込んだ。
「なんで椅子に座らないの?私の後ろの席空いてるよ。」
楓が後ろの席を指さし、知らせてくれたが勝手に座っていいのか分からず遠慮した。
「良いよ、良いよ。さっき、ずっと座ってたからこっちの姿勢の方が楽なんだ。
それより、どうしたの?」
首をかしげながら楓を見上げると楓はなぜか嬉しそうにニコニコと笑っている
「えっ?本当にどうしたの?」
もう一度聞くと予想外の言葉を返された。



