あの瞬間キミに恋した

そうして私と櫂斗は、約束した。

あの頃の私達って大胆だね・・・。
ずっと側にいて、守るってプロポーズみたいなもんだよね。

あの頃の櫂斗は、私の事を好きだって言ってたけど。
今は、どうなのかな?
私も、まだ櫂斗の事好きなのか自分でも分からない・・・。

でも、私は・・・あの日の約束を、今でも忘れられずにいる。


櫂斗も、あの時の約束を覚えてくれてるんじゃないかって信じてるの。


幼い頃に交わした約束を・・・・。



そして下校時間・・・。

私はマリの元に行った。
もちろん一緒に帰るためだ。

「マーリー!!一緒に帰ろ~」

「じゃあ帰ろっか紗羅」とマリが言った時

「七瀬さん久しぶり」と櫂斗が声をかけてきた。

コイツ何を言うつもり?

「櫂斗君本当に久しぶりだよね。今日はビックリしちゃったよ私」とマリが言った。

「七瀬さん、すっごく綺麗になったよね」

コイツ、何考えてんだか。

「それにくらべて紗羅は・・・」と櫂斗が何かを言おうとした時。

「何よ?櫂斗、アンタ一体何がいいたい訳?」

「あははっ やっぱりお前昔と全然変わってないなぁ」とニヤリと笑いながら言った。

うっ!確かに私は昔の面影ありまくりだけど。
櫂斗にだけは、そんな事言われたくない。

私は櫂斗に言った。

「櫂斗よ~~く見なさいよ!私だって成長してるんだから」と言うと

「どこが、どう成長してるんだよ?紗羅?」と反撃してきやがった。

背だってあの頃よりかは伸びたし(150cmしかないけど)、頭も昔よりは断然良くなったし・・・。
あとは、何だろう?何かないかな?
ヤバイ・・・自分の事なのに。
どこが成長したかと聞かれると全然思いつかない。

しばらく黙っていると、櫂斗が「ふっ!紗羅の負けだな、1つも出てこないのか?」と、また鼻で笑って言った。

くっ・くっ・くやしいぃぃぃぃ~~~!!!
反撃出来ない自分が情けなくて涙が出てきそうだ。

それを間近で見てたマリが
「ふふっあんた達、昔と全然変わってないわね仲良いじゃない」と笑顔でそんな事を言ってくる。