見せ付けるって、私は嫌だってば!
これ以上噂されるのは・・・。


そう・・・櫂斗と付き合うようになってから、根も葉もない噂がよく流れるようになった。


だから私はこれ以上目立ちたくないんだよ?櫂斗?
って言っても櫂斗は分かってくんないし。
はぁぁ~~どうしよう。


そんなことを思ってると
「紗羅~~」と私を呼ぶ声が聞こえた。


この声は、私の大好きな親友のマリだ!!

「あっ!マリ~~おはよう。また同じクラスだね。嬉しい♪」

「え?そうなんだ。今年もよろしくね~~紗羅♪」

「そっかまた同じクラスなんだな。七瀬さん紗羅のことよろしくね」

もうう~~~相変わらず櫂斗は私のこと子供扱いしてくるんだよね!何か不満。

「うん、もちろんよ!!」

そういうマリにも、ちょこっとムカってするけどマリのことは憎めない・・・うん。


「櫂斗君も同じクラスなの?」

「いや俺は5組なんだ」

「そうなんだ。じゃあ紗羅1年間寂しい思いするね」

そういう言われ方すると、何か恥ずかしい。


「そんなことないよ。1年なんて、あっという間だし」

「ふふっ紗羅ちゃんったら、強がっちゃって可愛い♪」

「そんな事ないってマリ!」

「俺は紗羅と離れて寂しいけどな」

「ふふっあんた達本当に仲が良くて見てて面白いわ」と大爆笑をしているマリ

そんなに笑わなくていいんじゃないですか?マリさぁぁん!!!



「おはよう紗羅ちゃん」と拓哉君がやって来た。


「拓哉君おはよう」


「紗羅ちゃんと同じクラスで嬉しいよ♪」と笑顔で言った。



うっ、そう言えば拓哉君の名前あったんだった。

拓哉君には悪いけど一緒のクラスには、なりたくなかったな。


「そうだね。1年よろしくね」

恐る恐る櫂斗を見ると、拓哉君を怖い目で睨み付けてる。

やっぱりか。お願いだからそんな顔しないで、櫂斗。


「そろそろ集まらないといけないんじゃないのかな?」と拓哉君が言う。

「あっ!ほんとだ、じゃあまた後でね櫂斗!!」

後で櫂斗に何か言われるだろうなぁ、きっと。

そして校長先生のなが~い話が終わった後
マリと一緒に1組へ向かった。


「紗羅教室いこっか」とマリは足早に歩いて行った。

「うん、マリちょっと待って」と私は急いで走る。


と・・・走り出した瞬間、ドンっと誰かに思いっきりぶつかってしまった。