「ただ、たんに家が近くだからじゃないの?」

「そうよね!!渋谷さんが羨ましいぃ~~~!!!」

「本当本当」

って声が聞こえてきた。

ちょ・・・ちょっと、丸聞こえなんですけど!!!

すると拓哉君がやって来た。

「紗羅ちゃんおはよう」と、すごい綺麗な笑顔で言う。

「おはよう拓哉君」と微妙な顔で言った。

「岡田君もおはよう」

「おはよう・・・」

ん?なんか櫂斗の様子が変だ。

「今日も2人で来たの?」と拓哉君が聞いてくる。

「うん・・・そうだけど」

「そうなんだ・・・。ねぇ紗羅ちゃん、明日からは僕と一緒に登下校しない?家も近いしさ」

え?エーッ!!!私と拓哉君が一緒に登下校?

な・・なんで、そんな事言うの?拓哉君。
ど・・・どうしよう・・・。
私は櫂斗と一緒じゃなきゃイヤだよ!!

すると櫂斗が
「それはダメだ!!紗羅のおばさんに頼まれてるから」

「ふ~ん・・・だけどそれは、ご近所さん同士だからじゃないの?それに、紗羅ちゃんと付き合ってる訳じゃないんだよね?それなら僕でもいいと思うんだけど」と自信ありげに、言った。

確かに、私と櫂斗は付き合ってないけど・・・。
だからと言って、拓哉君と一緒にって訳には行かないよ。
私は、櫂斗が好きだから。

すると櫂斗が
「ふっ!俺たち付き合ってるから、一緒にいるの当たり前なんだけど?なぁ紗羅!!」と言い、櫂斗が微笑んできた。


か・・・櫂斗?なに言っちゃってんの?

はっ!!でも、そういう事にしとけば、この状況を脱出出来るよね。

櫂斗サンキュ!!!

「うん、私櫂斗と付き合ってるんだ」

「本当に?」と疑わしい目で聞いてくる拓哉君。

うっ・・・ヤバイ。もしかして嘘ついてるのバレてる?

「やだなぁ!!本当だよ拓哉君。」

「相沢いい加減にしろよ!!嘘なんてつく訳ないだろ」

「そっか、そうだよね。うん、わかったよ。疑ったりしてごめんね、紗羅ちゃん」

「ううん、いいの。わかってもらえたら」

「紗羅、そろそろ行くぞ!!」

「うん、わかった。じゃあ、私先に行くね。」

「うん。またあとで」

そして教室に向かった。