閉じたままの瞼、その目尻から涙が流れ落ちてる。


 ポロポロとあふれ出る涙を見て、私は冷静になった。

 妹の首から両手を離して、我に返る。


 涙を流す妹の寝顔は、切なくて見てられない。


「お姉ちゃん、どうして死んじゃったの……寂しいよ……」


 悲痛で切ない寝言に、私の胸がぎゅっと締め付けられる。

 私はその様子を、黙って見つめることしかできなかった。


「春樹くんとお姉ちゃんは、両思いだったのに……クリスマス、もうすぐだったのに……」


 寝言が止まると、妹がゆっくりと目を見開いた。

 ベッドの上で横になったまま、視線を動かして私を見つめてくる。


「えっ、まさか……」


 妹には、幽霊の私の姿がハッキリ見えてるらしい。


「くるの、おそいよぅ……」



 妹の涙声を耳にした私は、胸がぎゅっと締めつけられる……