「おっはよ~、春樹くぅ~ん!」


 甘ったるい猫なで声が聞こえてきた。

 振り返ると、制服姿の妹が可愛らしく微笑みながら駆け寄ってくる。


 そしていきなり、春樹の背後からバックハグで抱きついた!


 不快な表情を見せて拒絶すると思っていたのに……

 振り返った春樹は、妹に向けて満面の笑顔を見せた。



「毛糸のマフラーにあうねぇ、あったかい?」


「まあな……」


「うれしい、よろこんでくれて!」


「このマフラー手編みだろ? 苦労したんじゃねーの?」


「そうだよ、コツコツと春樹くんのために頑張ったよ!」



 なに、この会話……



 妹が手編みして、作ったことになってるの?