冬休みが終わり、三学期の授業が始まる登校日。


 いつもと変わらない風景の通学路を歩く男の子を、私は見つめていた。

 少し離れた場所から視線を向けてるけど、ストーカーではない。


 私と彼は歳が同じ高校生で、家が近所の幼なじみ。

 名前は春樹(はるき)、幼少から顔なじみで気心も知れた仲なので呼び捨てにしてる。


 でも、お互い別々の高校に通い始めて私は気づいた。



 春樹を好きだってことに……



 同じ登校時間と通学路。

 同じ教室で受ける授業。

 同じタイミングの帰宅。


 楽しい会話をしながら、笑顔で一緒に過ごす日常が当たり前だと思ってた。



 私と春樹が、中学校を卒業するまでは……