ガラ、
美弥が教室に入ると、とたんに静かになるクラスメイト。
次の瞬間には、美弥などいないかのようにまた、おしゃべりに花を咲かすクラスメイト。


はぁ、くだらない。

美弥は、窓際にある自分の席を見た。
昨日と同じ、落書きで真っ黒になった机。

『ブス』『バーカ』『死ね』『生きてる価値なし』
私は、そんなありきたりな言葉で泣くようなつまらない女じゃない。


それより、こんな言葉しか浮かばない頭が悪いクラスメイトが可哀想だわ。
もっと……………考えられないのかしら。


美弥は心のなかで思った。
わざわざ口に出すまでもないからだ。
それに、こんなことを言ってしまったら、余計面倒くさいことになる。


別にどう思われようが、何をされようが傷つきはしないが、面倒なことはあまり好まない。
一人で好きに生きていたいのだ。だって、誰かの目を気にして生きていくなど、息が詰まる。




そう、好きなことをして、好きなように………生きたいだけだ。
私はなにも、間違ったことはしていないのだから。





「おーい!お前らホームルーム始めるぞー!」


また、今日も同じ一日が始まる…………____________。