『1人じゃ解決出来ないって…そんな大変なこと?』


律君、何があったの?


ちょっと怖くなってきた。


『いや…何て言うか、ここでお前と話がしたかったから、2人で』


え…


『本当にどうしたの?律君、顔が強ばってるよ』


『そっか?ごめん』


律君は頬を両手でマッサージした。


クルクルって。


『これで大丈夫?』


『う、うん。大丈夫』


顔を見合わせ、ちょっと笑う。


『俺、たぶんすごく緊張してる。自分らしくないって…思ってる』


確かに律君のこんな硬い顔、見たことない。


『寒い…からかな。今日は冷え込むって、ニュースで』


って、何言ってるの?


私まで緊張してきたかも。


その時、律君の後ろの大きな窓から見える景色がフッと目に入った。


うわ、雪?


やっぱり降ってきたんだ。


でも、今の私にはチラチラとゆっくりと落ちていくその雪を「綺麗」だなんて思う余裕はなかった。


『俺、夢芽に話したいことがある』