「希美、おはよー」

「おはよー、今日来るの早くない?」

「へへ、それがねえ、今日は寝坊しなかったんだよね」


わたしは自分の席に座って、窓の外をただ眺めるだけ。

いつもと変わらない日常だった。


でも、ときどき希美ちゃんと目が合って、それがわたしを明るい気持ちにさせてくれる。



“希美ちゃん、あのね――”


昨日、あれからわたしは希美ちゃんにあるお願いをした。


“あのね、教室では普段通りにしよう”

“え?どうして?せっかく友達になれたのに”


希美ちゃんはこう言ってくれたけど、わたしは頑なに拒否した。


だって――



「プリント出してない人いないね?もう出しに行くよ」