甘いキスをわたしに堕として。


来てくれるって思ってた。


さっきまで必死に恐怖を我慢していたから、今になって恐怖の念が一気に襲いかかってくる。



「マスターから話は聞いた。…怖かったろ?来るの遅くなってごめんな」



「っうぅ…」


怖かった…。
本当はずっと余裕なんてなかった。



涙が溢れて、床に水たまりを作っていく。



そんなわたしを、朱里はそっと抱きしめて特に何も言うわけでもなく、背中を摩ってくれた。



あの後_


男たちは何者かによってこの街から追い出され、2度と立ち入れることはできなくなったそう。



そして、わたしたちは今、再び【紅蓮】の倉庫にやってきた。



まだ夜になるまで時間があるから、少し休んでいってという奏多くんの優しさに甘えることに。