おそるおそる、震える指を近づけたとき_



グイっ



「きゃ…!」



腕を思い切り引き寄せられ、気がつけば朱里の胸の中。



え…?

咄嗟に離れようとするものの、ガッチリとホールドされているため離れられない。



「ちょ…っ、朱里」



こんな状況だって言うのに、本人はすました顔でスースー寝ている。



「…寝込み襲おうとするとか、藍って変態だなぁ」



……っ起きてるの!?

ガバっと朱里の方を向くと、ニヤっとした不敵な笑みを浮かべていて、脳内で危険信号が鳴り響く。



ちょちょちょ…これってけっこうヤバい体勢なんじゃ、?