「…おかしい」


病院からの帰り、バイクに乗る直前。



奏多がそんなことを呟いた。



「奏多?どーした」


「さっき藍ちゃんに電話かけてみたけど出ないんだよ」


「寝てんのかもな。他のやつらに掛けてみたら?」



スマホを片手に操作をはじめた。



しかし_


「ダメだ、誰も出ない」


は…?
なんで?



ザワッと胸騒ぎと同時に嫌な予感がした。