甘いキスをわたしに堕として。

「…でも、お前にはあの女がいるだろ。もうどうだっていいのかよ」


あの女…?

私にとっては興味深い話だった。


やっぱり彼女とかいるのかな。


いてもおかしくないルックスしてるし、むしろ選びたい放題だと思う。


だって、朱里はカッコいいから。


不良たちから助けてくれてた時からそう思ってた。


「美玲は関係ねーよ」


ピシャっと制した。



“美玲”って人が朱里にとって特別な人なの?

微かに胸がモワッとするのが分かった。



「まぁまぁそこら辺でやめときな。せっかくお客さんが来たわけなんだし。きみ、名前なんていうの?」


不意に茶髪の人がそう話題を変えた。