甘いキスをわたしに堕として。

「俺んとこ来いよ」



スッと差し伸ばされた手。



わたしにはそれが“救いの手”のようにみえた。



「この手を取らなかったら…わたしはどうなるんですか?」



「…世間から消されるぞ。俺を選べば明日になるまで、俺がお前を守ってやるよ」




偽りのない真剣な瞳。



この人なら信じられる。



根拠のない考えだと思うけど、今のわたしにはこの人しかいないから。



そして_



彼の手に、わたしの手を重ねた。