甘いキスをわたしに堕として。

涙なんてものは1ミリも出なかった。



ただただ心が空っぽで


何も要らない。



そんなふうだった。



何も言わない私を尻目に、お金を置いて立ち去る美玲さん。



ー…たった1人、取り残されたわたし。




息が詰まりそうになるほど苦しくて、
今すぐにでも消え去りたかった。




あのあと店を後にした。



トボトボと歩く道はあり得ないほど長く感じたし、いつもに増して「孤独さ」が溢れていた。



考え事をしていたからよく前を見ていなかったのかもしれない。