甘いキスをわたしに堕として。

だけど、
こんな暗い世界から引っ張り出してくれたのは紛れもない朱里。



朱里がを差し伸べてくれなかったら私は今も暗闇にいた。



だから_


「ねぇ。もしかして朱里が助けてくれたから、とか思ってないよね?」



ギラっと鋭く睨まれる。

まるでヘビに捕らえられたウサギのように、私はビクっと震えた。



「私ね、前に男の人に襲われたことがあるの。朱里が助けに来てくれたんだけど…私の身体には傷が残っちゃって」



そう言って、胸元にある傷をみせた。



っ!

見てビックリした。


たぶんきっと、刃物が刺さった跡なんだろうけど何針も縫った形跡が残っている。