甘いキスをわたしに堕として。

「…いい加減にしてください。朱里の幼馴染だからって何でもやっていいとか思ってますか?私だって現実を受け入れることに必死なのに…っ!」



ああ、もうなんだか涙が出そう。


心の内に溜まっていたものが全部溢れ出そうになる。



「は?…じゃあさっさと朱里の前から消えて。そしたら私は何もしないであげるから。大人しく身を引いてくれたら、の話だけど」



っそんなこと分かってる。



朱里の隣にいちゃいけないことも。



叶わない恋っていうのも自覚している。


お兄ちゃんを殺した組の娘であることを何度後悔したことか。



みんなに合わせる顔がないの…。