甘いキスをわたしに堕として。

思わず美玲さんの方へ顔を向ける。



「え?」



「私だったらそんなの耐えられない。春樹さんだって言ってたよ?面倒臭いって。…本当は誰よりも辛かっただろうね。なのに、なんでそれを知った今、平気なフリしてられるの?」



なにも言い返せなかった。


お兄ちゃんが祖父に殺されたことだって、ついこの前知ったことだし、できれば嘘であってほしかった。


いまは受け入れることに必死で…
何もできないのに。



そんなこと美玲さんに言ってほしくない。



「あんたみたいなお荷物、朱里たちにとっても邪魔っていつになったら気づくの?」



もう、ウンザリだった。