だけど_

それでも思っちゃう。



美玲さんに触れてほしくない。



その掴んでいる手を、朱里から話してほしい。



「ねね、そういえばあの約束覚えてる?」


朱里の顔を覗き込むようにキョトンとした表情で言った、美玲さん。



〝約束〟



さっぱり分からなかった。



「約束?んなのあった?」



当の朱里は記憶にない様子。