「っ、」



何も言えなかった。



だって本当のことだから。


わたしは特別なにも頑張ったわけじゃないし、ただ運良くここにいるだけ。



美玲さんみたいに誰かのために頑張ることもしてこなかった。



「…たかが春樹さんの妹なだけでしょ。たったそれだけの理由で朱里をモノにしたの?私を怒らす前にさっさと朱里から離れて」



美玲さんの瞳は真っ直ぐで真剣で。



朱里のことが本気で好きなことがはっきりと伝わる。



「じゃあ先に戻るから」と、颯爽とみんなのところへ戻っていく。



ポツンと1人、残されたわたし。