甘いキスをわたしに堕として。

眠っている朱里を類が部屋まで運んでくれるそう。




わたしは奏多くんが淹れてくれた紅茶を一口飲み、彼が口を開くのを待つ。



「さてと。どこから話そうか」




カチカチ…と、時計の針が進む音がハッキリと聞こえるほど静かな空気。




「まず、もちろん分かってはいると思うけど、この街には紅蓮の他にもいくつかの族がいるんだよ」



うん…なんとなく分かっているつもり。




わたしを襲ってきた人たちも…
違う族の人たちなんだよね。



「俺たち紅蓮はトップに君臨していて、その敵対チームが“龍牙”っていう族なんだ」



“龍牙”(りゅうが)

奏多くんはハッキリと言った。



「彼らは卑劣で、汚い族だー…」と。