甘いキスをわたしに堕として。

葵とゆーくんは奏多くんが車で送っていくみたい。



そして、先を立とうとしたとき。



「藍、帰りに話したいことあるから俺らと帰ろうぜ」



途端に繋がれた手。



そういったゆーくんの顔は真剣で、断りずらいとさえ思ってしまった。



でも……


朱里が送ってくれるんだよね?



チラッと朱里の方をみると、同じ表情をしていて。



「藍は俺が送るから。行くぞ_藍」



ゆーくんに掴まれている手とは反対の手を握りしめ、そのまま連れ去る。




軽く繋がれていたゆーくんの手は呆気なく振り解かれ、空を切る。