ビクリと体をはねさせる美聡。


そんな美聡をあざ笑うかのように冷気は濃くなっていく。


教室内には霧が立ち込め始めていて、それが美聡の体を包み込む。


ここままじゃ取り込まれてしまう!


そう思った瞬間、美聡の足は動いていた。


今まで聞こえてこなかった学校内のざわめきが耳に入り、行き交う生徒たちの姿も見える。


美聡は生徒たちの隙間を縫うようにして全力で走り、階段を駆け下りたのだった。