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母親に聞くという計画は見事に失敗してしまった。


「セナの親も怖い話は悪影響だって思ってるみたいだし、やっぱり大人には質問できないなぁ」


自分の部屋のベッドに横になって大きく息を吐き出す。


怖い話を聞くのがこんなに大変なことだとは思っていなかった。


改めて直人やセナに関心してしまう。


「仕方ない。明日瑞穂に話を聞くしかないな」


それができなければ、自分は明日みんなの前で怖い話を披露することができないことになってしまう。


せっかく直人が持ってきた都市伝説を台無しにしてしまうことになるのだ。


そう考えると胸が痛む。


きっと他のみんなも自分と同じように半信半疑のまま続けていると思う。


それでもやりはじめたことなんだ。


最後までやりきって、それからやっぱり都市伝説は嘘だったんだねって笑いたい。


「どうか、明日瑞穂が学校を休みませんように」


祈るように胸の前で手を組んで、美聡はつぶやいたのだった。