今日の真紀の言葉はたしかにデリカシーのないものだったかもしれないが、それでも自分たちには必要なものだった。


そう思うとこで心のわだかまりが解けていくのがわかる。


2人で外へ出ると夏の日差しに目を細める。


時刻はまだ3時過ぎで外の暑さも和らいでいない。


これなら夏休みが近づくにつれてもっともっと熱くなるのだと思うと重たい気分になってしまう。


けれど同級生たちが遊具で元気に遊んでいる姿を見るとこちらも楽しい気分になってくるから不思議だった。


「こんなに暑いのにみんなよく遊んでから帰ろうと思うよね」


美聡の呆れ声につい苦笑いを浮かべる。


自分たちだってつい数日前までは公園で走り回って、汗だくになってから帰宅していた。


それが今では公園に集まって怖い話をするようになった。


ただそれだけの変化なのに、遊具で遊んでいる子たちよりも自分たちのほうが大人になった気持ちになる。