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8人は公園に作られている小さな丘の上にやってきていた。


そこは芝生が植えられていて、小さな東屋もある。


東屋の中に設置されている木製のベンチに座った7人は直人へ視線を向けていた。


「で? 怖い話は準備できたのか?」


足を組んで座っていた実が聞くと、直人は静かに頷いた。


それを見てセナが目を見開く。


てっきりなにも準備できなかったから挙動不審なのだと思っていた。


でも違ったのだ。


今日1日直人の様子がおかしかったのは、本当に怖い話を準備できたからだったんだ。


そうわかったセナはゴクリとツバを飲み込んだ。


頭の中で予定していた遊びがガラガラと崩れ落ちていく。


崩れ落ちた先にあったのは、怖い話を聞くという現実だけだ。


直人が7人を顔を順番を確認していく。