昨日自分が見たものはなんだったんだろう。


翌日の学校でも直人はあの光景を思い出してぼーっとしてしまう時間が多かった。


いつものメンバーが頻繁に声をかけてきてくれたけれど、こころここにあらずの状態で放課後が来てしまう。


「本当に怖い話を用意してきたのかな?」


ランドセルを背負い、昇降口へ向かったセナが美聡へ聞く。


美聡は軽く肩をすくめて「どうかな? あの様子じゃ無理なんじゃないかな?」

と、首をかしげた。


それを聞いたセナは安心したように表情を緩めた。


「そうだよね、昨日の今日で怖い話を用意するなんて難しいもんね」


と、歩きながら何度も頷く。


「でも、約束場所には行くでしょう?」


セナに言われて美聡は頷いた。


怖い話を聞く必要がないのなら、みんなで公園で遊んでから帰りたい。


今日はなにをしようかな。