だから今回の配達員もいい顔はしなかったんだよね。


そしてまた他の家に配達に向かって、全部の荷物を配り終えたときだった。


業務用スマホに知らない番号から電話がかかってきたんだって。


あぁ、これはお客さんからだなって、すぐにわかったんだって。


だけど今日はもう荷物はないはずなのにおかしいなって思いながら電話に出たんだって。


「はい。○○配達です」


「すみません。不在連絡票が入っていたんですが」


「はい。お名前とご住所をお願いします」


そこは確かに彼の担当区域だった。


彼は配達希望時刻を確認した後、1度トラックの中を確認したわ。


そうしたら、奥の方に真っ黒な箱がひとつだけ残っていたの。


住所を確認してみると、さっき電話があった人の家で間違いがなかった。


なぁんだ。


黒い箱だから見落としていたのか。