直人、セナ、美聡、実、和輝、真紀、浩、アズサ、そしてもうひとり、しおりの姿がある。


しおりはカメラへ向けてピースサインを出し、満面の笑顔を浮かべている。


この数日後に、しおりは永遠にこの笑顔を見せることはできなくなってしまったのだ。


思い出してまた胸がきしんだ。


『次の休みの日、みんなで遊びに行こうぜ!』


あの時、そう提案したのは誰だっけ?


男子の誰かだった気がする。


仲良し9人のわたしたちに異言はなかった。


友達の遊びに行けるくらい楽しいことだって、まだ知らない。


『もちろん! どこに行く?』


一番にそう声を上げたのは直人だった気がする。


直人はあの時目をキラキラと輝かせていて、次の休日への期待を膨らませていたように感じられた。