実の口の悪さをカッコイイと思っている自分もいる。


「俺は怖い話なんて興味ねぇんだよ!」


鏡に向かってそう言ってみるけれど、迫力もないし全然似合っていない。


自分のことを『俺』と呼ぶことに浩自身強い違和感があった。


「似合わないよなぁ……」


はぁとまたため息を吐き出して思い出した。


こんなことをいている場合じゃない。


早く怖い話を集めないと明日が自分の番なのだ。


しかも明日は月曜日。


話の練習をする時間はほとんどない。


「でもなぁ、怖い話なんて誰に聞けばいいんだろう」


思い当たるのは真紀だ。


真紀は本が大好きで怖い話も沢山知っている。


でも、仲間である真紀から話を聞くのは気が引ける。