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「せめてボクにもう少し友達がいればなぁ……」


机に座って頬杖をつき、ため息を吐き出す。


友達が7人もいれば十分だと言う人もいる。


たしかにそう思うけれど、遊ぶのはいつも同じメンバーばかり。


みんなのことは大好きだけれど今回みたいに自分の意見を言えないまま、苦手なことをしなきゃいけなくなるときも多い。


「でも、それは自分のせいかなぁ」


窓の外を眺めてまたため息。


小さなころから可愛い可愛いと言われてきた浩は、いつしかそれがコンプレックスになっていた。


自分は男なのにどうして可愛いと言われるんだろう?


小学校高学年になってからは特にそうだ。


実や和輝みたいに男っぽくなりたいと強く願うようになった。