と、その時だった。


全身を冷たい空気が包み込んできて真紀は自分の体を抱きしめた。


空気はその場に留まり、まるで自分の存在を知らせるように揺らめいている。


「なにこれ、寒い」


セナがつぶやくとその息が白くなっていた。


まさか、今は6月なんだから息が白くなるはずがないのに。


それでもみんな寒そうに震えている。


遊具のある広場へと視線を向けると、半袖の子供たちが元気いっぱいに走り回っている。


みんな、寒さなんて感じていないようだ。


自分たちだけ……?


真紀がそう思った次の瞬間、トンッと誰かが肩を叩いた。


真紀がとっさに振り向くと同時に、すでに話を終えている5人も同時に振り向いた。


もちろん、そこには誰もいない。


強い冷気に包まれているばかりだ。