☆☆☆

「これであたしの話は終わりです」


途中まではよく知られた話だったから、みんなの表情は微妙そうだった。


だけど後半になるにつれて青ざめたり、緊張した表情を浮かべるようになっていた。


「あの事件にそんな真相があったのか」


つぶやいたのは実だった。


「たぶんね。本当かどうか、ちゃんと調べられてはないんだけど」


真紀は素直にそう言った。


「それでも十分怖かったよ」


アズサは相変わらず涙目になって震えている。


よかった。


ちゃんと話せたみたいだ。


とりあえず自分の番が終わったことでホッとしている。