真紀は本が大好きで、その日も学校の図書室にいた。


図書室には天井まで届くくらいの本棚がズラリと並んでいて、その隙間を縫うようにしてテーブルと椅子が置かれている。


本を読み始めると頭が痛くなる言う友人や、すぐに眠くなると言う友人たちもいるけれど、どれだけ長時間この空間にいても真紀は飽きることがなかった。


どの本もそれぞれに魅力的だし、読んでみないとわからない部分も沢山ある。


そして読み終えた後は知らなかった知識を得ていたり、楽しい物語を自分自身が経験してきたような気分になれる。


活字は一生懸命読まないといけないから、その分入り込むことも安易にできる。


映画や漫画とはまたひと味違っていた。


今日はなんの本を読もうかと本棚の間をゆっくりと歩く。


ほんの背表紙をひとつひとつ丁寧に確認していると、都市伝説と書かれた本を見つけた。


気がつけば怖い本が並んでいるコーナーまで歩いてきていたみたいだ。


基本的になんでも読んでしまう真紀は都市伝説の本を手にとった。