実は手加減を知らないヤツだ。


「大丈夫。見つけるから」


そう言うと、「おう。絶対にお前のところで止めるんじゃねぇぞ！」と、乱暴な声が聞こえてきて一方的に電話は切られてしまった。


和輝は呆然として通話口を見つめる。


心配して電話してきたのか、それともプレッシャーをかけるために電話してきたのかよくわからない。


とにかく、自分のところで止めたら実に拳を振り上げられそうだ。


和輝はそう思って身震いしたのだった。