8人で集まって怖い話を披露するとき、話を終えたメンバーにだけなにかが起こっている。


みんな、手で触れられたと言っているけれどそれが本当かどうか和輝にはまだわからなかった。


だけど、回を重ねれば重ねるほどにまわりの空気が冷たくなっていくのは感じていた。


本格的な夏が近づいているはずなのに、鳥肌が立つときもある。


それはきっと、手の持ち主が近くにきているということなんだろう。


和輝はそう信じていた。


最後の8話目に到達したとき、その冷気は人の形になってオレたちの前に現れてくれるはずだ。


そのためには怖い話を続けないといけない。


途中で土日を挟むけれど、それでも同じ時刻に同じ場所に全員が集合するんだ。


和輝が話を披露する明日は土曜日だけれど、もちろん全員集合する約束をして帰ってきた。


ただ、問題が1つだけあった。


学校が休みだと学校関係者からの話が聞き出しにくくなる。


和輝たち小学生にとっては学校が世界の大半を締めているから、なかなか難しい状況に追い込まれたことになる。