《やっほー! 今日は花火大会だね。一緒に行くでしょう?》


河川敷で開催される花火大会には去年から子供たちだけで参加していた。


会場が近所であることや、花火の第一部を見たら帰って来ることが条件になっていたけれど、子供だけで暗くなるまで遊べる日ということで、香織たちにとって特別な日だった。


でも、今日は違う。


香織は申し訳ない気分になりながら、彩香ちゃんへ断りのメールを返信することにした。


《ごめん。今年は予定があって行けないの》


そのメールを送るとき、罪悪感で一瞬指の動きが止まった。


香織はキュッと目をつむって、勢いをつけて送信ボタンを押す。