「今日もひとつ謎を解くことができて、とてもよかったです」


「あぁ、そうだね」


次第に香織は不機嫌な表情になってきた。


今までだって両親と会話をしている中でちゃんと聞いてもらえないことは何度もあった。


だけどこんな風にモヤモヤとした気持ちが胸に広がっていくことはなかった。


藤田さんと一緒にいると胸がドキドキしたり、ギュッと痛くなったり、モヤモヤしたとり忙しい。


まるで藤田さんに自分の胸を操られているような感じがする。


「探し物が見つからないんですか?」


できればこの話題は出したくなかったけれど、この話題ならちゃんと返事をしてくれると感づいていた。


「え、あぁ……」