「お疲れ様。はい、ジュース」


お兄さんが冷蔵庫からオレンジジュースを出してくれた。


「ありがとう!」


オレンジジュースを一口のみ、ふぅーと大きく息を吐き出す。


喉がカラカラだったんだ。


「とりあえずピークは過ぎたから、香織ちゃん遊んでおいでよ」



「私は大丈夫です。だって、藤田さんに雇われたから!」


香織が満面の笑みで言うと、藤田のお兄さんもつられてわらった。


ちゃんとお手伝いをするということになってから、ようやく自己紹介をしたのだ。


お兄さんの名前は藤田圭吾。


今二十歳で、一年前から自分のキッチンカーを出したらしい。


それまでは、高校を卒業後知り合いのクレ-プ屋で修行していたそうだ。



香織は四年一組のクラス委員長。


みんなの期待を一身に背負ってクラスをまとめています。


そう説明すると、お兄さんは関心したようにうなづいた。