謎解きキッチンカー

「親からOKはもらえた?」


「え、あ、うん」


香織は慌ててうなづく。


本当は内緒にしているなんて、言えなかった。


「じゃ、行こうか」


お兄さんについてキッチンカーへ向かう。


深い緑色をしたキッチンカーの助手席は、意外にも普通の車みたいだった。


知らない人の車に載るなんて初めての経験で心臓がドキドキした。


今にも口から飛び出してしまいそうなくらい緊張している。


けれど、香織の好奇心はそんなことで衰えるものじゃなかった。


どんなことでもやってみたい。


みんなが面倒だとおもう委員長だって、香織はやってみれば楽しいことだと感じられていた。