そこでようやく空のが曇っていることに気がつき、香織は眉を寄せた。


雨が降ったらキッチンカーに来るお客さんは少なくなってしまう。


そうなると、イベント自体がなくなってしまうかもしれないのだ。



でも、昨日お兄さんに言われた言葉が香織の頭の中をぐるぐるとめぐっていた。


『明日もここに来てるから、よかったらおいでよ』


香織は必ず来ると約束してきた。


「少しだけ、行ってもいい?」


「いいけれど、雨が降ったらすぐに帰って来るのよ?」


「わかった!」