そして、私が彼に会ってから、1年半、
俳優の仕事も入ってきた。
 演技レッスンも入り、裕紀くんは忙しくて、暇がなくなってきた。

 ある日、裕紀くんのマネージャーをしている金沢さんから、提案があった。

「そろそろ、事務所の近くで、彼を住まわせたいんてますけど、どうですか?」

正直、家から出るのは寂しかった。
でも、彼のため。
「そうですね。その方がいいと思います。」
「じゃあ、裕紀に話しときますね。」
「よろしくお願いします。」

『これでいい。これで。』