裕紀くんは、バックダンサーとして、何度かLIVEに出演した。

 裕紀くんを売り込んでくれて、モデルの仕事も入ってきた。

 初めは、ファッション雑誌の2ページの小さい写真であったが、読者から、
「あれは誰?」
という問い合わせがあり、新人として、
紹介ページができた。

 それをきっかけに、少しずつ仕事が増えてきた。
「忙しくなってきたね。」
「渚さんのおかげです。」
「いや、裕紀くんの実力だよ。」
「ありがとうございます。」

少しずつ、遠い存在になってきた気がした。