だから今度は、私がきみを救う番

原くんはステーキを一口齧ると、「まずは今週末の花火大会だな」と言った。



今週末、昨日と一昨日寄り道した河川敷で花火大会が行われる。

結構大きな規模らしく、毎年市外からもたくさんの観覧客が訪れている。



「高屋の浴衣、楽しみにしてる」

「……うん」



原くん、こんな私の何がいいんだろう。

会話を弾ませることも出来ないようなつまらない人間なのに、どうしてこんなに優しくしてくれるのかな。



「花火大会の日、六時に迎え行くね」

「うん」

「ばーちゃんは大丈夫なの?」

「うん。花火大会に行くってお父さんに言ってるから。大丈夫」

「そっか」



一瞬、原くんの瞳が濁った気がした。



けれどもそれは気のせいだったようで、箸を手にとってまたステーキ丼を食べはじめる原くん。

男の子だなぁって感じの、豪快な食べっぷりだ。

私は私で、緊張のあまりやっぱりランチの味はよく分からないままだった。