◇ 七月の朝は、空気がすっきりしていて爽やかだ。 梅雨が明けたと昨夜のニュースで言っていた。 よく晴れた朝の通学路を、重い足取りで歩く。 原くんに早く会いたい。 そう思う半面、教室に入りづらいなと思う自分もいた。 昨日の放課後、原くんと一緒に帰ったことによって注目を浴びてしまったからだ。 幸いなことに、通学路ではクラスメイトに会うことなく学校までたどり着けた。 上履きに履きかえ、のそのそと廊下を歩いて二年一組へと向かう。 ホームルームもあさがお学級でしてくれたらいいのに、と思った。