集中していないことがバレてしまったのだろうか……。

ちょうど考えていた内容だったため、ドキッとしてしまったのはバレていないよね?


 私なんかが雅紀と付き合っていると社内に知られた日には――考えただけでも恐ろしい。

 茉依は応援してくれるかもしれないけれど、他の人は違うだろう。


 ドキドキと速まる鼓動が鳴り止まない。



「まぁ、そうだよね……」


「茉依は? クリスマス彼氏と過ごすの?」



 たしか茉依にはラブラブな彼氏がいたはず。


 だから、てっきりウキウキしているものだと思ったのに、その雰囲気はものすごくどんよりしていた。


「はぁ……あんなやつ、こっちから願い下げよ!」


 つい先日まで、デートの話や彼との惚気話を聞かされていたのに、一体何があったのだろうか。



「喧嘩でもしたの?」


「……あいつ……浮気してた」


「はっ!?」



 あの、いつでも茉依が大好きで、命よりも大事と言っていた彼が浮気?



「そう。だからこっちからふってやったわ」