ひまわりが枯れるとき、ライオンは…

「小山さん。」

「獅子谷くん、今日もノート渡せばいい?」

「…あの、陽葵李さん大丈夫なんですか?」

「陽葵李ちゃん?」

「退院できるかわからないって連絡があって…。」

「……そうそう、急に具合悪くなっちゃったみたいで、病室寄っていってあげて。元気出るかもしれないから。」


「ありがとうございます。」








「高野さん、大丈夫ー。」

『やっと、来てくれた。』

高野さんはいつもと変わらなかった。

「…嘘だったんだ。」

『…ちゃんと話したくて。』

「…これ、今日のノートだから…帰るね。」

『待ってよ!』

「…。」

『お願い、話を聞いて。』

「…ハルマくんは高野さんのお兄さん。そうなんでしょ。」 

『…そうだよ。』

「…いつから俺がハルマくんに勉強を教わってるって知ってたの?北海道のとき?それとも…もっと前から?」

『獅子谷くんのことは、お兄ちゃんからずっと聞いてた。』

「…全部知ってて、俺に近づいたんだね。」

『…うん。』