ひまわりが枯れるとき、ライオンは…

「獅子谷さ、陽葵李から何か聞いてる…?」

「何かって?」

「私と、喧嘩したとか…。」

どう答えるのが正解なんだろうか。

「…喧嘩したってのは聞いたよ。」

「…あんた、陽葵李とそんなに仲良くなってたんだ。」

「比較的話すだけだよ。」


「…私と陽葵李は親友なの。」

そんなのは、見てればわかる。

「でも今日、陽葵李になんで2人にこだわるの?って言われちゃった…。」

「…そうなんだ。」

「陽葵李が言うようにみんなと仲良くすることは大事だと思う。でも最近、陽葵李があまりにもみんなにこだわるから…だから、私は…。」


檜山さんはまた、泣きそうになった。

「私、友達作るの苦手なの。思ったこと言っちゃったり、顔に出たりするから…。」

たしかに、俺のことあからさまに嫌ってましたね…顔に出まくってました…。

「それで、中学のとき全然友達できなくて…そんなときに声かけてくれたのが陽葵李だったの。」

「…なんか、高野さんぽいね。」

「でしょ?陽葵李と仲良くなってから他の友達もできるようになって、すっごく救われたんだ。陽葵李に。」  
 
「…。」

「一応、陽葵李以外の友達はいるけど、陽葵李といる時が1番楽だし自分らしくいられるの。だから、みんなもいいけど2人の時間も欲しいなって…。」
  

檜山さんの気持ちが少しわかる気がした。




「なんか、陽葵李少し変わったんだよね。お兄さん亡くなってから。」



…え。


「…高野さんのお兄さんって亡くなってるの?」


「あれ、知らなかった?陽葵李そんなことまで話さないか。」

「うん…お兄さんがいるってことは聞いてたんだけど、亡くなってるとまでは…。」

「話したらまずかったかな…陽葵李に私から聞いたって言わないでね。」

「…わかった。」

「お兄さんが亡くなって、陽葵李すごく落ち込んだ時期があったの。それまではよく休日とかは2人で遊んだりしてたんだけど…元気になってからはみんなで遊ぼうって言うようになったんだ。」

「…そうだったんだ。」

「なんか、獅子谷に話して少しスッキリした。嫌いだけど口は固そうだから大丈夫だよね?」

「…うん。」

本当に正直だな、檜山さんは。

「あ、この辺でいいよ。家すぐそこだから大丈夫。送ってくれたのはありがとう。じゃっ。」 






「檜山さん!」

俺は、帰ろうとする檜山さんを呼び止めた。

「2人で遊びたいってそのまま高野さんに伝えたら?」

「え?」

檜山さんに、何言ってるのコイツみたいな顔で見られた。

でも、いいや。


「なんで2人じゃダメなの?じゃなくて、2人がいいって言えば良いんじゃないかな?」

「獅子谷、喧嘩の内容けっこう詳しく陽葵李から聞いてたでしょ?」

つい、口が滑ってしまった…。

「…ごめん。」

「でも、あんたの言う通りかもね。そうしてみようかな。」

「うん。」








「ねぇ、獅子谷、ちょっと思ったんだけど…。」

「…何?」

「陽葵李のこと好き?」

「…っ?!」

突然とんでもないことを聞かれて言葉が詰まってしまった。

「突然何言ってるの檜山さん?!」

「いや、前からちょっと思ってたから良い機会だと思って。」


「…いい人だなとしか思ってないよ。」

「ふーん、ならいいけど。」

俺が高野さんを……そんなことはあり得ない。


「言っとくけど、陽葵李はあんたなんかにあげないからね。全然釣り合ってないから!」

「わかったから…。」

送っただけなのに、結構話してしまった。

「…その、気をつけて帰ってね。」

「家すぐそこだって言ってるじゃん。気をつけるも何もないって。」

「…でも、気をつけて。」



「大丈夫だって言ってるじゃん。」




檜山さんは何か呟いて帰っていった。


高野さんと檜山さんは近いうちに仲直りするだろう。

なんとなくそう思った。